冬が来た  高村光太郎


きつぱりと冬が来た
八つ手の白い色も消え
公孫樹の木も箒になつた

きりきりともみ込むやうな冬が来た
人にいやがられる冬
草木に背かれ、虫類に逃げられる冬が来た

冬よ
僕に来い、僕に来い
僕は冬の力、冬は僕の餌食だ

しみ透れ、つきぬけ
火事を出せ、雪で埋めろ
刃物のやうな冬が来た 


「火事を出せ」がよく解らないが、何といっても「冬よ僕に来い」が良い。
いつか俳句に形を変えて使ってみたい。

     
 雪   三好達治

  太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
  次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。

http://oshiete1.goo.ne.jp/qa1696535.html?ans_count_asc=2

文法に頼らずとも雪でしょう。
母親では理屈(が言い過ぎならば常識)になって、詩になりません。


   「爆音の影の横切る枯野かな」