伊吹嶺4月号の風光集は久しぶりの6句。
人日や見知らぬ人に名を呼ばれ
「老衰」と死亡診断冬ともし
冴ゆる夜の亡母の小さき足洗ふ
火葬炉の鉄扉閉ぢたる寒さかな
人ひとり焼く間の冬日濃かりけり
手袋を脱いで真白き骨を選る
「人ひとり」の句は、タイトルの句の影響を受けている。
伊吹嶺4月号の風光集は久しぶりの6句。
人日や見知らぬ人に名を呼ばれ
「老衰」と死亡診断冬ともし
冴ゆる夜の亡母の小さき足洗ふ
火葬炉の鉄扉閉ぢたる寒さかな
人ひとり焼く間の冬日濃かりけり
手袋を脱いで真白き骨を選る
「人ひとり」の句は、タイトルの句の影響を受けている。
今日は鶴舞公園に行って来ました。
ご婦人から「まだ早いですね」と声を掛けられ、円墳の下萌を熱心に見ていた私は、「はて、何が早いのかな?」と思ったのですが、桜のことでした。
見ると、花の芽の先がわずかにピンクになっていました。
久しぶりに歩いてきました。
風光集より私の5句
幼子の深き眠りの聖夜かな
年の瀬や町に書店のひとつ消え
数へ日や若き御霊に「お〜いお茶」
忘年やダウンライトの二人席
福引の当たりの鐘に恥じらへり
昨年から始まった栗田前主宰選の「寒月賞」。速報上位5編以外の高点12編の中に私の作品が入っていました。
ひとつのテーマで纏まった作品ではないし、弱い句も混じっていますが、ある程度は期待しますのでほっとしました。
第一回「寒月賞」応募作品20句 徒歩
青空へ汽笛高鳴る不死男の忌
八月や昭和の厚き時刻表
再婚の母の写真や終戦日
逆さまに切手貼りたり残暑なほ
新涼や窓より子供たちの声
食べ過ぎて嘔吐する母敬老日
診察を待つ間のいびき秋の昼
名月や坂の上なる純喫茶
柔かくタオルを絞る居待かな
秋果盛る白磁の皿をよく冷やし
秋光や洗ひ終へたる匙二本
三日間休む貼り紙小鳥来る
重陽や職楽しんで五十年
胸張つて大き息する秋気かな
挨拶のメモ大き字や菊日和
からくりの見得張る正午空高し
耳朶をつまめば温し十三夜
水槽の魚外見る夜長かな
占卜は大器晩成いてう散る
やはらかき握手の別れ白秋忌