前回のエントリーは伊藤若冲縁のお寺での吟行でしたが、今日の中日新聞伊藤若冲の特集がありました。
狩野博幸氏の締めの文を紹介します。

 いま少し、細部を見ようか。牡丹の花が繚乱と咲き誇る中に描かれた二羽の白頭の小禽。普通ならば愛を交わす番として描かれるはずだが、上の小禽はそっぽを向いている。その顔の先には実は小さく虻が描かれているのだ。つまり、色気より食い気。こんなところにも、誰の弟子でもなく、誰から画料を貰ってもいない若冲の「自由」さが発揮されており、ブルジョア画家、筆者がつねにいう「旦那芸」の極地を見ることができるだろう。