20年自選12句
  長老の自慢の笛の初神
  霊山を下り来る脚絆春の土
  胴上げの大空揺れて卒業子
  花はこべ古井戸多き港町
  木漏れ日の熊野古道や羊歯若葉
  軒下に屋号の跡や大西日
  微笑の十二神将蝉しぐれ
  草もみぢ小石も混じる穴太積
  草の実や欠番なりし札所跡
  笹子鳴く小さき入江の真珠棚
  息白し四コーナーの鞭の音
  天井の高き古書店十二月


すべて体言止めなのに我ながら驚いています。
体言止めが好きなこともありますが、新しい境地を開拓せねばと思っています。