久し振りに映画を見てきた。
「戦火の馬」

子供の頃見た「黒い雄牛」という映画。
闘牛用に売りに出されてしまった牛を少年が取り戻しに行くというお話し。
死闘を演じ傷ついた牛と少年が闘牛場を去って行くラストシーンに感動し涙した。

これを思い出し、本編では少年と主人公の馬ジョーイが再会する場面はどういうものが用意されているのかと、大いに期待を膨らませて映画館へ行ったのである。

最近は情報過多で見る前から粗筋が分かってしまい、今までに見た映画からの連想で頭の中でシュミレーションをする癖があるので、今回もその弊害に陥ってしまった。

とはいえ、全体に大袈裟な演出もなく質の高い作品と感じた。

少年からジョーイを引き取った英軍将校は戦死するのだが、
ジョーイに乗って突撃する将校、
独軍の機関銃のクローズアップ、
騎手無しで走るジョーイ、
こういった流れの映像で戦死の事実を表現する演出は見事。

そして、
脱走した独軍の若い兄弟兵が銃殺されるシーン。
発砲した瞬間大きな風車の羽根が二人が倒れる所を隠すという映像。

こういう抑えた演出が随所にあって好感の持てる作品となっている。

さて、肝心の再会の場面だが、ここだけははもっと大袈裟にやっても良かったのではないか。

まだここで終わらず、故郷に戻るところまで引っ張るわけだが、ここで少年(もう青年か?)は父親にあるものを渡す。
この映画は家族とは如何なるものであるかを問いかける物語でもあるのだ。