栗田やすし句集「海光」より


   春の星潤むあまたの遺品見て


遺品という目の前の空間が「春の星」を得て広がりのある句となった。
春の星を見る目が潤んでいるのであるが、春の星があまたの死を悼んでいるようにも思えるのは情緒に浸りすぎの鑑賞過多であろうか。