文芸春秋」は医院の待合室か図書館と決めていたが、「『現代の名文』入門」という見出しに惹かれてつい買ってしまった。
その中の「川端康成 削れ、削れ」宮城谷昌光


    国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。


著者は「この文はそもそも変である」とし「この小説が蕉風的俳諧の手法をつかって書かれていることがわかってきた」という。

そして「私は小説の師である立原正秋から、『削れ、削れ』と、やかましくいわれたが、削除によって名文となった小説の代表は『雪 国』であろう」と締めくくる。