文藝春秋刊「芥川賞全集」第五巻より

松本清張『或る「小倉日記」伝』

身体の不自由な男性が、軍医として小倉に赴任していた森鴎外の当時の足跡を辿るという物語。
丹念な調査の描写は、後の作品の犯罪者の捜査を思わせて興味深い。
伝便の鈴の音が俳句的な抒情効果をを出しているように思った。