2021-01-25 時はいま 山岡荘八『徳川家康』より、愛宕山での連歌興行の場面。 光秀がまず発句を吐いた。「時はいま、あめがしたしる五月かな」つづいて行祐が、「水かみまさる庭の夏山」とつけていった。紹巴は何かハッとしたようだった。口の中でしきりに光秀の発句をつぶやき返している。「時はいま・・・・土岐(明智氏)はいま、天が下しる五月かな・・・」そう言えば光秀の様子が、いつもと違う感じであった。