句吟行 其の二

二日目
アスターホテルの朝食はさすがに新潟、ごはんが美味い

  「朝ごはん鮭の美味さや米処」

佐渡行きのフェリーに車を入れ降りたら独特の重油の匂いがきつい

  「秋の海フェリー船内重油臭」

新潟港といえば思い出されるのは北朝鮮の船 万景峰号

  「鰯雲万景峰号影はなし」

フェリーに乗って約二時間半ようやく佐渡ヶ島が見えてくる

  「秋澄みて佐渡の島影横たわる」
                           佐渡の両津に着き下船をしたら折り返し乗船の人、車でごった返していた

  「秋暑し両津の港人多し」

私は佐渡は二度目なのでツアー旅行では行けないような所を選んだのだが・・・

  「清水寺幽玄を超しそぞろ寒」

幽玄さを超え不気味な感さえ漂う、観光客は誰もいないと思ったら・・・

  「蜩を清水寺に聞く異国人」

真野町といえば拉致被害者曽我ひとみさんの故郷

  「真野町の悲しき拉致や秋の海」

真野町佐渡歴史伝説館内の土産コーナーでジェンキンス氏と写真を写す

  「秋さびしジェンキンス氏の手は固し」

佐渡島流しになった偉人の中の一人日蓮上人

  「日蓮流罪の謎や曼珠沙華
                        
佐渡には順徳上皇日蓮世阿弥などの偉大な人物や文化人が島流しになった

  「展墓する流人の威厳歴史館」

小木の博物館には千石船が復元展示されていた。

  「秋に入り千石船の栄華知る」

復元された千石船はまだ新しい 白山丸という

  「白き帆の千石船に秋の風」

宿根木の集落、築二○○年を越える民家もあり今も人々が生活している

  「宿根木の集落古し法師蝉」

宿根木の集落群に入ってみる。細い路地が続き家と家はくっついていた

  「宿根木の路地裏に見し野菊かな」

宿根木近くの水田の奥に海食洞窟があり磨崖仏が祀ってある

  「草の花地蔵見つめし磨崖仏」

磨崖仏を見守るように地蔵が整列していて、真新しい赤のよどかけが印象に残る

  「磨崖仏新しき赤地蔵盆

今日の宿泊は小木のかもめ荘

  「かもめ荘海の初秋を賞味する」

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今朝八時頃、ティッシュの切れ端のような白い虫がふわふわ飛んでいた。
綿虫だろうか?歳時記を読むと、晩秋の夕方に飛ぶと書いてある。

  「綿虫やサドルの尻のたくましき」