「伊吹嶺」11月号が届きました。
いつもより早い到着、編集部の皆様ありがとうございます。
今月号には第十一回伊吹嶺賞の成績発表が掲載されています。
矢野孝子様、伊吹嶺賞受賞おめでとうございます。
ちなみに私も今回始めて応募しました。
何と!9位の成績でした。

伊吹嶺賞応募作品 
「日脚伸ぶ」  松井徒歩


  初仕事常の鋏に常の櫛
  暖房を卒寿の脚に理容椅子
  仕事場にパン焼く匂ひ雪しんしん
  日脚伸ぶ友より貰ふ文庫本
  下校児の皆で替へ歌春隣
  春立てりブックカバーを取り替へて
  リビングの火鉢に焼くる蕗の薹
  古井戸の残れる更地東風寒し
  キャンパスを通り抜けたり梅三分
  木の下に犬つながれて梅の花
  ポストへの夜道匂へる沈丁花
  棟上げの柱に符丁風光る
  春日さす鏡二枚の理髪店
  来店の嫗の淡き春ショール
  夜桜を窓にフランス料理店
  裸婦像の落花に細き肱かな
  会津より桜盛んの便りあり
  磨り減りし砥石を洗ふ遅日かな
  


今月の三句
  地球儀を明るくしたるはたた神
  引越しの最後に運ぶ竹夫人
  ささくれし魚板の鱗原爆忌