片蔭をたどりて至る詩仙堂  秋麦

  玉の汗低き鴨居をくぐりたる  ゆうこ



  三幅の隷書掛けたる夏座敷   哲半
  詩仙堂座敷に遊ぶやんまかな  忽布
  板縁に脛の涼しき詩仙の間   徒歩
  猛暑日に寝ころび禁止詩仙の間 万里子

  水引草白砂の波に影うかぶ   佳子

  鹿威し尻ゆさぶつて戻りけり 英武


 


河原地副主宰選五句
  染付の青を隠して祭鱧    万里子
  菅貫の夕星灯る頃にこよ   徒歩
  新涼や加賀宝生の鼓の音   忽布
  笑点の始まるころの冷し酒  徒歩
特 朝茶酌む部屋の湿気や秋きざす  忽布

副主宰の句
  湯上りの髪まだ濡れて夏料理  英武