先々日の火曜日は京都句会でした。
名古屋から京都へ向かう東名阪・第二名神は雪で、甲南P.A.では中国人観光客が燥いでいました。
私は集合時間に間に合うかどうかとやきもきしていました。

京都布市内でも雪が散らつくする中、東寺での吟行です。
  如月や並びて買へる東寺餅   忽布

真言密教の本尊は大日如来でありますが、国内最長の東寺五重塔内陣の心柱を4体の如来像が囲んでいます。
五智如来と呼ばれていますが、心柱を大日如来と見なしているのであります。

  寂光を纏ひ寺苑の芽吹かな   俊雄
  校倉に堀巡らせり梅三分    徒歩


  
  光背の欠けたる如来春寒し   万里子
  冴返る手の焼け落ちし四天像  哲半
  焼け残る天部の像や冴え返る  秋麦

  寒の水小さき桶に花捧ぐ    英子
  寒戻る修行大師の白脚絆    佳子

  夜叉神をのぞく小窓の春埃    ゆうこ
  見つむれば雌夜叉笑める余寒かな 英武

話題のアパホテルでランチ。

河原地副主宰選
  一とせの福笹返す軽さかな      哲半
  八朔の実ごとに白き綿帽子      英子
  春めくや草鞋を吊す荒物屋      佳子
  一湾の綺羅に紛るる浮寝鳥      ゆうこ
特 立春や赤子の紅き足の裏       万里子

  黒髪の母が叱れり春の夢       英武

時間が余ったので席題もありました。
幹事さんの20分で2句に対して、副主宰が「集中出来るのはせいぜい5分」の声に15分と短縮しました。
「梅」「春灯」「氷解く」「春の雪」

私は初めての体験でしたが妄想たくましく何とか切り抜けました。
大人気だったのが、
  梅が香や妻の知らざる鍵を持ち  徒歩
徒花の運命が予想されます。

席題副主宰選
  春の雪幹のくぼみに鳩のえさ 佳子
  春灯し枕ならべてあねいもと 万里子
  春灯や妻の顔剃る和剃刀   徒歩

  膏薬を背筋にしかと梅二月  英武