伊吹嶺八月号 伊吹集巻頭一席より


  嫁ぐ子の荷へ降り止まぬ落花かな 橋本淳


「嫁ぐ子の荷」に子を精一杯育てた安堵感、降り止まぬと強調する「落花」に別れの淋しさ。

同じく三席より


  子と婚のドレス選べり春の暮   梶田遊子  


親子してウェディングドレスを選ぶ幸せ、「春の暮」の措辞に一抹の淋しさ。

二句共に季語の働きの良さを感じる。