京都の哲半さんから、大阪俳句史研究会発行の「俳句史研究」第23号という本を借りています。
その中の、
「田中裕明 人と作品」小川軽舟
氏の講演の書き起こしです。

  渚にて金澤のこと菊のこと

この句を初めて知った時、ネビル・シュート作「渚にて」という小説が頭に浮かびました。
核戦争後の世界を描いた作品です。
この項を読み進むと、

  小鳥来るここに静かな場所がある

アイザック・アシモフの短編「静かな場所」がモチーフ、というようなことが書かれています。

ここに至って、
作者は人類消滅に向かいつつある渚に立って<金澤のこと菊のこと>を思っているのではないか、
との思いを強くしたのであります。