平成20年11月2日中日俳壇より

   秋暑し船頭小屋に木の枕  野島秀子


船頭小屋では不特定多数の人が使うしどうせほかりっ放しであろうから普通の枕では不衛生であろう。
木枕の方が手っ取り早いのだ。
それにしても作者は面白い物を発見したものだ。


   木枕の垢や伊吹に残る雪  丈草 


近江の内藤丈草が、郷里の美濃へ向かう(硬い枕の嫌いな)広瀬惟然を送り出した時の句といわれている。
こんな句もある。


   木枕に惟然泣く夜の長さ哉  正岡子規