「伊吹嶺」新年俳句大会の入選句一覧が届きました。
栗田やすし主宰選
  特選 藁馬の木曾馬ぶりよ豊の秋     矢野孝子
     干蛸の足より乾く島の秋         若山 智子
     身丈越す猪突き棒の刃先研ぐ     青木しげ子
     色のよき秋茄子嫁に持たせけり    岡島 溢愛
     眼を閉ぢて煙草吹かせり塩田夫   北村美津子
     新聞記事切り抜く夜長欣一忌     荒川 英之
     古希迎ふ紅白の木瓜返り咲き     市江 律子
     湿原の暮色に丹頂啼き合へり    長江 克江
     犬の名はピアノとショパン紅葉晴   国枝 洋子
     流燈の句碑にただよふ雪蛍      福田 邦子



私の選句した句

   身丈越す猪突き棒の刃先研ぐ  青木しげ子
   初電車母似の人に席譲る     足立サキ子

次点
   句碑の辺を綿虫よぎる欣一忌  国枝洋子

他に印を付けた句
   干蛸の足より乾く島の秋     若山智子
   稲穂添へ越の新米届きけり   高木佐知子
   籾殻の燻ぶる一村峡の底    野瀬ひろ
   秋晴れの辻研師の店開き    伊藤克江
   喰積に隠し包丁母の膳      山崎育子
   桟橋を杖鳴らしくる秋遍路    笹木美代子
   冬日さす宮の渡しの書状箱
   鵜匠家の塀は舟板木槿咲く   奥山ひろみ
   棒の手の隊列来たる稲穂道   長江克江
   秋時雨間口小さき占ひ屋     不破志づゑ
   十三夜恋の笛吹く狂言師


私の句は同人の選からは洩れましたが何方かが採って下さったようです。

   湯上りの髪のきしめる十三夜