伊吹嶺5月号、栗田主宰の作品「遠伊吹」より

   遠伊吹かすむ日和や結びの地

芭蕉奥の細道」の結びの地大垣から、遠くに霞む春の伊吹山を眺める作者。
自らの結社「伊吹嶺」は永遠に続く。


河原地副主宰の「夜と霧」より

   春暁や子が読耽る『夜と霧』

徹夜したのであろうか、夜明けまで『夜と霧』に読み耽る子に気付き驚く作者。
しかしながらこの小説の、絶望の中にわずかな希望を見出すその象徴としての役割を季語「春暁」が果しているのではあるまいか。