谷崎潤一郎の『吉野葛』を読んでいます。
巻末の水上滝太郎の<『吉野葛』を読みて感あり>に興味深いことが書かれています。
人を感動させる力は、静かな言葉の中にもあるはずだ。的確なる表現が何よりも力強いのである。よき声は必ずしも大きくはない。
本文の吉野上市の、粗末な建物ながら真っ白な障子を始めとする街道の描写は素晴らしいものでした。
『蘆刈』共々読書を楽しむという意味で、極楽の書でした。
両作品ともネットでも全文を読むことができます。
『吉野葛』
https://www.aozora.gr.jp/cards/001383/files/56867_58205.html
『蘆刈』 https://www.aozora.gr.jp/cards/001383/files/56875_58210.html