出格子にひようたん這はす日除かな 佳子
安井金比羅宮
  縁切の願かけ絵馬や汗あふる    英子
  梅雨の宮絵馬に重たき願ひごと   万里子

  久志塚にブラシの置かれ皐月尽く  忽布

  天地寂腰空とんぼ池の上      秋麦
  さざ波の水面に淡き半夏生     徒歩

  古ガラスに波打つ庭の半夏生    悦枝
  扇風機御朱印の筆休まざる     哲半

  うつし世に日向のいろの半夏生   英武

京都句会河原地主宰選
  いつまでも男盛りや雲の峰    忽布
  大壺の肩の凹みや梅雨の土間   佳子
  米を研ぐ妻のうなじに梅雨ともし 俊雄
  夏至の日や鉄骨の建つ町屋跡   哲半
特 麻服の背に一日の皺深し     万里子


  節太き指は父似や楸邨忌     英武