実相院
地に届く実相院の青楓 秋麦
飛石の苔に埋まる薄暑かな 徒歩
木の枝にもりあを蛙身じろがず 英子
半眼に森青蛙樋の中 哲半
すり足で歩む堂縁みどり射す 俊雄
舞殿は風のぬけ道青楓 恵光
岩倉具視幽棲旧宅
玻璃の戸に映ゆる青葉や具視邸 万里子
北山や床に障子に緑映ゆ 悦枝
北山の風の濡縁梅青し 佳子
河原地主宰選12句( 持寄り句)
12句も選があるのに私の名がありませんが、投句し忘れたわけではありません。
晶子忌やつねより朱き紅の色 万里子
梅雨はじめ寝台固き検査室 万里子
切岸を流木の打つ鑑真忌 俊雄
二上の風に散り敷く白薔薇 英子
白鳳の菩薩を包む若葉光 英子
寝落ちたる妻や麦茶の氷鳴る 哲半
夏つばめ塔の九輪に魔除鎌 俊雄
清風に飛び立つ気配燕の子 悦枝
湯あがりの素顔涼しき宿の句座 万里子
躙口までの置石濃あぢさゐ 恵光
特 白南風や埴輪は弓を射る構へ 俊雄
特 夏闇にカンバスの赤削ぎ落す 忽布
われ独り蕾ばかりの薔薇園に 英武