令和1年6月京都句会

実相院

f:id:kurabou:20190605224928j:plain

  地に届く実相院の青楓     秋麦

  飛石の苔に埋まる薄暑かな   徒歩

f:id:kurabou:20190605225008j:plain

  木の枝にもりあを蛙身じろがず 英子

  半眼に森青蛙樋の中      哲半

f:id:kurabou:20190605225051j:plain

  すり足で歩む堂縁みどり射す  俊雄

  舞殿は風のぬけ道青楓     恵光

岩倉具視幽棲旧宅

f:id:kurabou:20190604221842j:plain

  玻璃の戸に映ゆる青葉や具視邸 万里子

  北山や床に障子に緑映ゆ    悦枝

  北山の風の濡縁梅青し     佳子

f:id:kurabou:20190605225129j:plain

河原地主宰選12句( 持寄り句)

12句も選があるのに私の名がありませんが、投句し忘れたわけではありません。

  晶子忌やつねより朱き紅の色  万里子
  梅雨はじめ寝台固き検査室   万里子
  切岸を流木の打つ鑑真忌    俊雄
  二上の風に散り敷く白薔薇   英子
  白鳳の菩薩を包む若葉光    英子
  寝落ちたる妻や麦茶の氷鳴る  哲半
  夏つばめ塔の九輪に魔除鎌   俊雄
  清風に飛び立つ気配燕の子   悦枝
  湯あがりの素顔涼しき宿の句座 万里子
  躙口までの置石濃あぢさゐ   恵光
特 白南風や埴輪は弓を射る構へ  俊雄
特 夏闇にカンバスの赤削ぎ落す  忽布

  われ独り蕾ばかりの薔薇園に  英武