口々にあつしあつしと幽霊図   徒歩
  涼しさや篝の絵ある奥座敷    秋麦

  びーどろの杯に気泡や晩夏光   哲半

  声かけて組みたる足場秋津舞ふ  万里子

  白雨来て屋根葺く大工散りぢりに 悦枝

  舞殿にかなかな聞けり雨やどり  佳子
  銀色の雨に向日葵ぐらぐらす   英武



河原地副主宰選5句

  清め砂盛りし土俵や夏の月   徒歩
  俎板の血の染み削る盆の月   忽布
  芙美子忌や夜道にひびく旅鞄  佳子
  ラベンダー畑の向かう夏の富士 悦枝
特 人を待つ灯り初めたる鉾の辻  万里子

残り時間は少なかったのですが、席題も。
「ゼリー」
  一匙のゼリーで許す小さき嘘  万里子
  笹の葉に抹茶ゼリーの町家かな 佳子
  空いろのゼリー切り分け母若し 英武