「角川俳句」の昭和63年2月号を読んでいたら藤田湘子のこんな句に出会った。


    霜月や刃物浸せし水の艶


刃物が光る句は私のも含めて一杯あるが、真冬直前の冷え込んできた頃の「水の艶」である。
元々刃物に弱い私であるが、こういう句に出会うところりと参ってしまう。
湘子の他の感銘句


    死ぬること残せし父へ歳暮かな
    死後といふ洞持ちたる古暦