京都句会河原地主宰選7句

  くるぶしの錆ゆく齢更衣    徒歩
面白いところに老いを感じ取りましたね。更衣との対比が鮮やか。

  白シャツに肩甲骨の尖りかな  万里子
この尖った感じがいかにも盛夏を思わせます。生命力を感じさせる句。

  二度三度押さへ麦わら帽馴染む 哲半
実感のこもった句。そういえば、たしかにそうだと共感をおぼえました。

  幕間にコロンのほのと老紳士  万里子
おしゃれでダンディな老紳士の風情がよく描かれていると思います。「幕間」も効いていますね。

  梅雨に入る窓に伝票二枚貼り  徒歩
商売をされている方でしょうか。まどに伝票張るところがユニークですが、生活感のある句だと思いました。

  膝折りてまなこの濡るる孕み鹿 俊雄
孕み鹿の様子を叙情的にうまく描いた句です。

 ◎板塀の木目に目鼻梅雨の月   万里子
この季語がとてもうまいなあと思いました。情景が生々しい程リアルに伝わってきました。私の特選句。