河原地副主宰選5句
朝凪の波止場に眠る白き猫 哲半
風薫る写生の子らの腕まくり 悦枝
葉山葵をさげて鉱物愛好家 佳子
梅雨闇の梁に笑へる魔除面 俊雄
特 梅雨深き丹波の壷に火の匂ひ 俊雄
抑留者墓地に唸れり草刈り機 英武
等持院吟行
足利の墓所濡れそぼつ苔の花 秋麦
将軍の一人は稚し青葉冷え 俊雄
達磨絵の朱色あざやか梅雨に入る 万里子
鶯張り案内の僧の夏衣 ゆうこ
岩寂びし庭に皐月の盛りなる 英子
五月雨や角つややかに鬼瓦 徒歩
鯉跳ねて水馬の輪を崩しけり 悦枝
手水鉢にさつき一花清漣亭 佳子
畳立て黴の匂ひの清漣亭 哲半
六請神社の力石大明神