7月京都句会 法金剛院吟行


双ヶ岡は法金剛院の西北にある標高116mの丘。
歌枕として和歌に詠まれた場所です。
吉田兼好はこの丘の西麓の地で『徒然草』を執筆したとされています。
  はちすさく双ヶ岡の風受けて  徒歩

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  梅雨の蝶佛足石を離れざる  俊雄

  咲き残る蕊ほの赤き沙羅の花 秋麦

  蓮の花甲虫の背の黒光り   哲半

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  各々に名を負ひ蓮の花開く  悦枝

  朝の雨ためて蓮華の傾ぎたる 佳子

  風生れて蓮の水玉揺らぎをり 英子

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  蓮の葉の水転がして掌へ   英武

京都駅へ戻り、句会の時間まで余裕があったので句会場のロビーで席題の句会をしました。

「朝凪」「噴井」「水中花」「階」の好きな題で2句提出。

「階」は私が出した題なのでこれと「水中花」で作りました。

「朝凪」はすぐ後鳥羽院のイメージが浮かびましたが句にするには時間がかかると思いました。

〇印は主宰選

 〇青竹を立てて縄張る噴井かな   哲半
  黒光る城の階梯半夏雨      悦枝
  弁護士と離婚の話水中花     徒歩
  夜の黙開きしままの水中花    佳子
 〇朝凪や沖の船より歌謡曲     俊雄
  開きたるフリル無機質水中花   秋麦
 〇隠し田の谷に噴井のあふれをり  英子
  朝凪や漁網つくろふ背の丸き   万里子
  階段に濡れし足あと夏休み    英武