双ヶ岡は法金剛院の西北にある標高116mの丘。
歌枕として和歌に詠まれた場所です。
吉田兼好はこの丘の西麓の地で『徒然草』を執筆したとされています。
はちすさく双ヶ岡の風受けて 徒歩
梅雨の蝶佛足石を離れざる 俊雄
咲き残る蕊ほの赤き沙羅の花 秋麦
蓮の花甲虫の背の黒光り 哲半
各々に名を負ひ蓮の花開く 悦枝
朝の雨ためて蓮華の傾ぎたる 佳子
風生れて蓮の水玉揺らぎをり 英子
蓮の葉の水転がして掌へ 英武
京都駅へ戻り、句会の時間まで余裕があったので句会場のロビーで席題の句会をしました。
「朝凪」「噴井」「水中花」「階」の好きな題で2句提出。
「階」は私が出した題なのでこれと「水中花」で作りました。
「朝凪」はすぐ後鳥羽院のイメージが浮かびましたが句にするには時間がかかると思いました。
〇印は主宰選
〇青竹を立てて縄張る噴井かな 哲半
黒光る城の階梯半夏雨 悦枝
弁護士と離婚の話水中花 徒歩
夜の黙開きしままの水中花 佳子
〇朝凪や沖の船より歌謡曲 俊雄
開きたるフリル無機質水中花 秋麦
〇隠し田の谷に噴井のあふれをり 英子
朝凪や漁網つくろふ背の丸き 万里子
階段に濡れし足あと夏休み 英武