びつしりと黒木の梅の赤蕾   忽布

  地図を手に先頭切つて青き踏む ゆうこ

  祭神はすべてをみなや鳥の恋  哲半

  紅梅に蜂来て蘂を動かせり   英武

  咲く梅に遅速ありけり京御苑  秋麦

  梅東風や御門に浅き弾の痕   佳子


  梅かたし格子の中の皇子の井  徒歩

今日の自選一句
  雪解水折れし樋よりほとばしる  ゆうこ
  扁額の架かる客間に梅薫る    忽布    
  多喜二忌や駅舎行き交ふ靴の音  徒歩
  空青し伊吹に雪の消ゆるころ   秋麦
  道へだて母屋舟屋や恋の猫    哲半
  梁太き居間に飾れり御殿雛    佳子
  及第のせがれ連れ出し古書漁り  英武

河原地副主宰選
  春光や円かに浮かぶ湾のブイ   哲半
  湖の天まで暗し雪擾擾      秋麦
  扁額の架かる客間に梅薫る    忽布
特 道へだて母屋舟屋や恋の猫    哲半
  梁太き居間に飾れり御殿雛    佳子

今日の高得点句
  春寒や自署薄れたる抑留記    英武

私の投句五句
  春遅し吾が雑俳の沓穿かず
  磨り減りし靴の弁士や東風寒し
  多喜二忌や駅舎行き交ふ靴の音
  靴脱いでままごとあそび椿東風
  すぐゆるむ更の靴紐鳥雲に