新松子の影踏み渡る浮御堂   ゆうこ

  ふりあふぐ堅田の松も秋日和  秋麦
  青北風や軒迫り出せし浮御堂  徒歩

  藻の上を歩く白鷺厄日凪    佳子
  湖のあを漠として秋の昼    万里子

  木目より蝿虎や浮御堂      英武
  さはやかや垂木に湖の陽の揺らぐ 哲半

  新涼の風惜しみなく浮御堂   範子
  風爽やかかすかに騒ぐ志賀の海 忽布


この扁額、私が自信たっぷりに「満月でしょう」と言ったら、信用できんと思ったのでしょう誰かが調べに行きました。「海門」でした。
海門山満月寺浮御堂です。


通常句会河原地副主宰選

  近道を取れば小さき花野かな  範子
  冬瓜の銀の産毛や朝の露    佳子
  かなかなや牧に炊きの煙立つ  徒歩
  法の火のまづは三水消えにけり 佳子
特 裁ち鋏光るテーラー今朝の秋  哲半

河原地副主宰の一句
  遊船に歓声あがる逆転打    英武